JMSJ論文賞受賞者のことば


このような賞が存在することを知らずに投稿したので、お知らせを受けた時は驚きました。 日本での研究者が多くない、
完全非線形方程式の弱解(粘性解)の正則性に関する基礎研究を評価して頂いたのは、共同研究者の A. Święch 共々、大変
嬉しく思います。 一方、N. V. Krylov、N. S. Trudinger、L. A. Caffarelli等の 正則性に関する``生きる伝説''のような先生
方が活発に研究を進めており、我々のささやかな貢献に気恥ずかしい思いもしております。学生時代に挫折したCaffarelliの
研究を理解するため、10年以上前に埼玉大学の修士の 学生の高橋利美君と Caffarelli-Cabré (1996年)の本を読み始めた
ことが研究を始めたきっかけです。 その後、Święch と 出会い、Caffarelli-Crandall-Kocan-Święch (1996年)の 研究の
続きをやろうと提案しました。彼の親友のKocanは既に 数学をやめていたので、良い(?)タイミングだったかもしれません。
まだ、この分野には未解決問題も多く、定年まで研究を楽しく続けられそうです。 現在も幾つかの課題を彼や私の元学生と
進めています。                                                
記念撮影(2009年3月・慶応大学にて)  賞状  drank with Andrzej